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2021年11月の記事一覧

瀬戸内寂聴さんの言葉

◆瀬戸内寂聴さんの言葉

●昨日の報道で、瀬戸内寂聴さんの訃報を知りました。●瀬戸内寂聴さんの豊かな人生経験を土台にした、ユーモアと含蓄含む法話を拝聴することができなくなったという残念な思い同時に、白寿の大往生であったなと感じました。●瀬戸内寂聴さんは、若くして結婚し長女を出産するも夫の知人への恋心から出奔することを始め恋多き人生を歩まれたこと、●作家として女流文学賞、谷崎潤一郎賞、野間文芸賞を受賞する活躍をしたこと、●51歳の時に中尊寺で得度し、法話を出家者の義務と考え、京都・嵯峨野に結んだ寂庵で法話の会を開催していたこと。その法話は、日本ばかりか海外からも聴聞客が多く訪れていたことなどをご存知の皆様を多いだろうと思います。●本日は、瀬戸内寂聴さんへの哀悼を込め、代表的な言葉をいくつかご紹介します。

◆怖がらないでね、人を愛した方がいいですよ。
 やっぱり人は人を愛するために生まれてきたような気がします。だからあんまり選り好みしないで、愛した方がいいです。身を守って誰も愛さないでね、怪我もない代わりに、死んで泣くほどの人も誰もいなかったなんて、そんな一生も寂しいですよね。素敵な人だと思って愛したら間違っていて、つまらない人だったってこともあります。その時はもうさっさと別れたらいいんです(笑)。

◆言いたいことを言いなさい。
 嫁にも姑にも亭主にも。言いたいことを言った方が胸がすっとします。穴掘ってでも言った方がいい(笑)。それが健康法の一つです。

◆“和顔施(わがんせ)”といって、笑顔もお布施になるんです。
 物をあげる“物施”や、人に親切にする“心施”というお布施もありますが、なかなかできませんね。でも和顔施ぐらいはできるわよ。人に会ったらにっこりすればいいんですからね。

◆出会いというもの、縁というものはね、生きてる時に大切にしなきゃだめですよ。
 明日はあなたが死んでるかもしれない、相手が死ぬかもしれない。だから、今日好きだと思ったら、今日言ってくださいね。

◆もう済んだことは、忘れましょう。
 私たちは「忘却」という能力を生まれた時から与えられているんですね。日にちが経てば、どんな嫌なことも辛いことも自然に薄らぎ、忘れることができます。だから人間は生きていかれるんですよ。

◆何か物事を始める時は、「これは必ず成功する」というプラスイメージを持ってください。
 絶対に幸せになるぞっていう夢を描けば、本当にそうなるのよ。私が初めて歌舞伎の脚本を書いた時ね、もし失敗してしまったら、せっかく今まで80年もかけて築いてきたものがすべて崩れますからね、とても怖いことなんだけど、そうは考えないの。必ずできると思ってね、歌舞伎座の三階席まで満員のお客様が、ワーって手を叩いてるところをイメージするんですよ。そうしたらその通りになったの。

◆笑顔を忘れないでくださいね。
 憂うつな悲しそうな顔をしてると、悲しいことが寄ってきます。いつも朗らかに明るくしていれば、いいことが寄ってくるんですよ。生きていれば、悲しいことも苦しいことも、腹の立つことも起こります。その度に姿勢を悪くしてしまったら、悲しいことや苦しいことがもっともっと重くなるんです。ですから、「負けるものか」と上を向いて、気持ちを前向きにしていればね、自然とまたいいことが起こるんです。

◆自分の身の丈にあった望みをいだくことですね。そうすれば欲求不満にならない。
 私たちはそれを忘れて、到底自分の手に入らないものを欲しがるんですね。小さな欲望でも満足することがあれば幸せなんですから、そのことに感謝してください。

◆人間は、幸せになるためにこの世に送り出されてきたのだと思います。そして幸せとは自分だけが満ち足りることではなくて、自分以外の誰かを幸せにすることだと考えてください。
 自分自身の可能性をできるだけ大きく切り開いて生きること、これもひとつの幸せです。しかし、あなたがこの世に生きて送り出されたのは、誰かを幸せにするためなんですよ。自分の命は誰かの役に立つためにあるのだと考えれば、この世はむなしいという気持ちもなくなるでしょう。

◆やっぱり自分が楽しくないと、生きててもつまらないですよ。だから何でもいいから、自分のために喜びを見つけなさい。そうすると生きることが楽しくなりますよ。
 苦しい苦しい、辛い辛いばかりじゃあ、生きがいがないですからね。喜びを見つけてくださいね。内緒の喜びの方が楽しいですね。楽しくないとつまらないじゃないの。もうどうせ死ぬんですからね、あなたたちも死ぬのよ、やがてね(笑)。だから生きてる間は全力を尽くして生きましょう。