校長室から
八代亜紀さんの言葉
◆歌手の八代亜紀さん◆
●本日は、歌手の八代亜紀さんのインタビュー記事から、「ありがとう」の言葉について、八代亜紀さんの言葉や内容のさわりを紹介いたします。
●昨年、歌手デビュー50周年を迎えた八代亜紀さんは、1971年に歌手デビューし、「なみだ恋」の大ヒットを皮切りに、1980年「雨の慕情」で日本レコード大賞を受賞するなど、数多くのヒット曲を世に出しています。また絵を描く才にも長けており、フランスの「ル・サロン」で5年連続入選を果たし永久会員ともなっています。
●八代亜紀さんは、「ありがとう」と言う言葉は、本当に良い言葉で、この言葉に元気をもらって、50年間をやってきました。「ありがとう」と聞くと、言った方も言われた方も元気になるし、「よし、またがんばろう」という気持ちになるので、たくさんの「ありがとう」を言葉にするようにしているんですと語っています。●下積み生活の2年間は、日々思いトランクを引きずり手にマメを作りながら、知らない街から知らない街へと移動しては、歌を歌い、そしてレコードを1枚、1枚、手売りしていたそうです。●ある時、次の街へ移動するため、がらがらの始発電車に乗って、トランクを前に抱え、両脇に大きなバックを2つ置いて座りましたが、疲れのためか、泥のように眠ってしまったそうです。●目が覚めたときには朝の通勤ラッシュの時間帯で、電車は超満員の寿司酢目状態。そんな中、八代さんは何人分もの席を占領してしまっていたのです。●しかし、誰からも「どけ」などと、きつい言葉を浴びせられることはありませんでした。●それから数年後、「あの時、トランクを抱えて寝ていたのは、八代さんではなかったですか?疲れているのだから寝かせてあげようと、みんなで言い合っていたんですよ。」と言う、手紙をいただいたそうです。●心がほっこりと温まる逸話です。●八代さんは、下積み生活のような苦しい日々の中であっても、良いことがひとつくらいはあるものです。十のうち九つ嫌なことがあっても、ひとつ良いことがあれば、そちらに「ありがとう」と言いたいと述べています。●また、「なみだ恋」の大ヒットでスターへの階段を上り始めた八代さんは、「百万枚のヒットなんて、親戚がどれだけ買っても無理。見ず知らずの方、一人一人が買ってくださったのだから、感謝するんだよ。」と言う父親の言葉は、本当にその通りだと感じたそうです。●ホームレスの方に毎日、ご飯とお風呂を用意した両親。ご近所さんにお裾分けをよくしていた両親。そういう両親の姿から、物事の良い面に目を向ける、感謝しようという思いが強くなったとも八代さんは語っています。
●八代亜紀さんのインタビュー記事の内容から、「ありがとう」と言う言葉を素直に、そして心から発することのできる人とは、苦楽ある人生を前向きに捉えることができる人であり、物事の本質(深層)に目を向け、「感謝」の心を持つことができる人なのだと、改めて感じたところです。